この記事では次のことについて詳しく説明していきます。
HTTP Cookieとは何か
HTTP Cookieはサーバーがユーザーのウェブブラウザに送信する小さなデータで、ウェブCookie、ブラウザCookie、または単にCookieとも呼ばれます。Cookieを受信するとブラウザに保存され、リクエストごとにサーバーに送り返されます。HTTP Cookieには通常、ユーザーの行動に関する情報が含まれており、ブラウジングセッションが切り替わった後でもセッション状態を維持するのに役立ちます。
HTTPはステートレスなプロトコルであることを覚えておきましょう。これはつまり、サーバーは以前に同じユーザーからリクエストを受け取っていてもそれを覚えておらず、それぞれのリクエストを関連のないものとして扱います。そのため、ユーザーのセッションの状態を維持するためには、リクエストごとに追加情報を送信する必要があります。そして、これこそがCookieが使われる目的です。
詳しく説明すると、CookieのメカニズムはウェブサーバーがSet-Cookie
ヘッダーを含むHTTPレスポンスを返したときに始まります。このヘッダーにはデータと有効期限が含まれています。ブラウザはSet-Cookie
ヘッダーを含むレスポンスを受信すると、Cookieデータをテキストファイルかメモリに保存します。Cookieデータが保存されると、ユーザーがそのウェブサイトにアクセスする度に、ブラウザがリクエストのCookie
ヘッダーにそのCookieを入れてサーバーに送り返すようになります。
Cookieはよりユーザーに合った体験の提供、ログインセッションの保持、そしてユーザーの追跡などを実現するために重要な役割を果たします。また、HTTP Cookieはセキュリティや認証の目的にも使用できます。
次に、HTTP Cookieが特に役立つユースケースを見てみましょう。
HTTP Cookieの目的
HTTP Cookieはさまざまな用途に使われます。以下では、その内でも最も重要な3つの用途についてご紹介します。
状態管理・セッション管理
HTTP Cookieは、ウェブサイトでユーザーのセッション情報を保持するために使用されます。この情報にはログインセッション、検索フィルター、長いページでのスクロール位置などが含まれます。例えば、ユーザーがショッピングサイトのカートに商品を追加すると、この情報はCookieに保存されます。ユーザーがブラウザを閉じたり別のページにアクセスしたりしても、そのような重要なデータは失われませんが、これはCookieがコンピューターに安全に保管されているためです。
カスタマイズ
Cookieは優先言語、フォントサイズ、選択した色などのユーザーの設定を保存するためにも使用できます。こういった情報はウェブサイトでのユーザー体験をカスタマイズし、より楽しく、よりアクセスしやすくするために欠かせないものです。
ユーザの追跡
Cookieを使用すると、ユーザーが訪問したページ、そのページでの滞在時間、クリックしたリンクなど、ウェブサイト上でのユーザーの行動を追跡できます。このデータを調べることで、全体的なユーザー体験を向上させることができ、それに応じてページのコンテンツやレイアウトを調整できます。また、Cookieは分析に必要なデータの収集にも役立ちます。例えば、Google アナリティクスは複数のCookieを使ってデータを収集し、サイトの使用統計を提供しています。
Cookieの種類
これまで見てきたように、HTTP Cookieは様々な用途に使われます。そのため、色々な種類のCookieが存在しています。ここでは、その中でも最も重要なものを説明していきます。
- セッションCookieとは、ブラウザのメモリに一時的に保存される種類のCookieです。このCookieはユーザーがWebブラウザを閉じると消えてしまいます。そのため、ユーザーのサイト使用中のセッション情報を保持するために使用されます。
- 永続Cookieは、ユーザーのハードドライブに保存されるため、ウェブブラウザを閉じても消えません。これは通常、ユーザーの設定を保持し、長期にわたってログインセッションを維持するために使用されます。
- ファーストパーティCookieは、ユーザーがアクセス中のウェブサイトが発行するもので、ユーザーのセッションや設定に関する情報を保持するために使われます。
- サードパーティCookieは、ユーザーがアクセス中のウェブサイトとは別のウェブサイトが発行するもので、通常は広告または追跡目的で使用されます。例としては、グーグルアナリティクスやフェイスブックからのCookieなどがあります。
HTTP Cookieの長所と短所
HTTP Cookieは、さまざまなニーズに対応できる汎用で強力なツールです。ただし、HTTP Cookieには注意すべき短所もいくつかあります。以下では、HTTP Cookieの主な長所と短所を解説していきます。
長所
- 実装と使用が簡単: CookieはHTTP経由でセッション状態を保持したい場合に使えるシンプルで効果的なツールです。
- ハードに保存できる:永続Cookieを使用すると、ブラウザを閉じた後でも、前回のブラウジングセッションのデータを保持できます。
- 異なるページ、ドメインの間で共有できる:1つのCookieを同じサイトの別のページや、同じドメインの異なるサブドメインで使用できます。
短所
- サイズと数の制限:ほとんどのブラウザでは、4KBのサイズ上限が設定されており、許可されているCookieの数は1ドメインにつき150個までとなっています。
- ユーザーが削除できる:ユーザーはいつでもCookieをブラウザから直接削除できるため、Cookieに依存するウェブサイトにとってはこれが問題につながる可能性があります。
- セキュリティ・プライバシー関連のリスク:Cookieにはユーザーの機密情報が含まれているため、セキュリティ上のリスクにつながる可能性があります。さらに、Cookieを使用してユーザーの行動を追跡および収集できるため、プライバシー侵害に悪用される危険性もあります。
ウェブスクレイピングにおけるCookieの働き
ウェブスクレイピングをする際は、データ取得用のスクリプトが人間と同じように動作する必要があります。それができない場合、スクレイピングスクリプトがボットとして認識され、ブロックされる可能性があります。これは多くのウェブサイトにスクレイピング対策技術が実装されているためです。
まず、Cookieはサーバーがブラウザにその作成を指示するものだということを忘れないでください。つまり、サーバーはHTTPリクエストにこれらのCookieが含まれている前提で動いています。Cookieを受け取らないと、リクエストが疑わしいものになり、サーバーにそのリクエストをブロックされる可能性があります。適切なCookieを設定することで、ウェブスクレイパーは疑いを抱かれずにウェブページをクローリングできるようになります。
また、Cookieには特定のユーザーのセッション情報が含まれていることにも注意してください。そのため、適切なCookieを設定することで、サーバーにそれぞれのリクエストが別のユーザーからのものであると認識させることができます。これにより、ウェブスクレイピングスクリプトの識別、追跡、ブロックがより困難なものになります。
ウェブからデータをスクレイピングする際、Cookieはとても重要になりますが、その取り扱いは簡単ではありません。だからこそ、Bright DataのWeb Scraper IDEなど、高度でフル機能を備えた最新のスクレイピングツールを活用するべきなのです。このようなツールを使えば、HTTP Cookieを簡単に管理できるようになります。
例えば、Web Scraper IDEを使用することで、 Captchasなどの様々なスクレイピング対策技術を回避しながら、ウェブから大量のデータを抽出できます。また、Bright Dataでは高品質なデータセットを直接購入できるようになっています。データを購入することで、膨大な量のデータにアクセスできるようになります。プロキシに最適なCookieソリューションをお求めの方は、 Bright DataのWeb Unlockerをご使用ください。これを使えば、サイトごとのブラウザCookieのリポジトリが増えた場合も、検出されないようにすることができます。
まとめ
この記事では、HTTP Cookieとは何か、Cookieがどの場合に役立つのか、Cookieが役立つ理由、そしてCookieをウェブスクレイピングに使用する方法について説明しました。Cookieはウェブブラウザに保存される小さなテキストファイルで、ブラウジングセッションに関する情報を保持するために使われます。この記事で解説したように、Cookieは様々なシナリオやユースケースで役立ちます。同時に、いくつかの懸念・注意すべき点もあります。特にウェブスクレイピングをする場合、それらへの対処は簡単ではありません。
こういった点でお困りの方は、 Web Scraper IDEなどのウェブスクレイピングソリューションの使用をご検討ください。このソリューションには、ウェブからデータを簡単にスクレイピングするために必要なものすべてが備えられています。また、Bright Dataでは完全なデータセットがいくつか購入できるようになっています。その他の場合、99.9%の成功率を誇るソリューション、Web Unlockerの使用をご検討ください。当社のチームがお客様のニーズに合わせた最適なソリューションを選択するお手伝いをします。
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