CAPTCHAとは何かとその仕組み

CAPTCHAとは何か、その仕組み、その種類、CAPTCHAを使用することの長所と短所を説明します。
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この記事では、CAPTCHAとは何か、その仕組み、CAPTCHAをトリガーする要因、CAPTCHAの種類、CAPTCHAを使用する長所と短所について説明します。

CAPTCHAとは

CAPTCHAとは、ユーザーが人間であるかどうかを判断するためにコンピューティングで使用されるチャレンジ/レスポンステストです。人間のユーザーとボット等の自動化ソフトウェアを区別するように設計されています。

CAPTCHAは通常、人間には容易に解決できるが機械には難しいタスクやパズルを提示します。従来のCAPTCHAには、ユーザーが解釈しなければならない歪んだテキストが含まれます。続行するには、ユーザーは画像に示されている文字を入力する必要があります。

CAPTCHAは、ウェブサイトやオンラインプラットフォームにおけるスパムや不正アクセス等、自動化ツールによる悪用を防ぐためのセキュリティ対策です。

CAPTCHAのトリガー要因

オンラインサイトにおけるセキュリティ対策の仕組みを理解するには、CAPTCHAをトリガーする要因を理解することが不可欠です。本セクションでは、これらのトリガーについて詳しく見ていきます。

1.IPトラッキング

CAPTCHAは、ウェブサイトにアクセスするIPアドレスに関連した異常なパターンや不審なアクティビティによってトリガーされることがあります。

例えば、特定のIPアドレスまたはIPアドレス範囲からのトラフィックが突然急増した場合、ボットのアクティビティである可能性があり、ユーザーが人間であることを確認するためにシステムがCAPTCHAを実行することがあります。

2.サインイン/サインアップの試行

ユーザーがアカウントにサインインまたはサインアップする際、ログインに複数回失敗したり、登録に際して疑わしい動作をしたりすると、CAPTCHAがトリガーされることがあります。

例えば、最初の数回のログイン試行ではCAPTCHAは表示されませんが、何度も失敗するとCAPTCHAが表示されます。

これにより、ユーザーが本当に人間であることを確認し、自動化ボットが不正にアカウントにアクセスするのを防ぎます。

3.ボットのような挙動

フォームを迅速に送信する、クリックを繰り返す、大量のデータを短時間で送信する等、自動化ボットの動作に似た挙動がCAPTCHAをトリガーすることがあります。多くの場合、これらの挙動はボットがウェブサイトの脆弱性を悪用したり、悪意のあるアクティビティを自動的に実行したりしようとしていることを示します。

4.試行前に閲覧履歴がない

特定のページにアクセスしたりアクションを実行したりする前に、ユーザーの閲覧セッションに履歴やウェブサイト上のナビゲーションがない場合、自動化アクティビティが疑われます。このような場合、ユーザーの身元と意図を確認するためにCAPTCHAがトリガーされることがあります。

5.リソース(スクリプト、CSS)の読み込み

スクリプト、CSSファイル、その他のアセット等、ウェブサイトのリソースの読み込み順序や挙動に異常がある場合にもCAPTCHAがトリガーされることがあります。例えば、多数のスクリプトやリソースが同時に読み込まれたり、読み込みのパターンに一貫性がない場合、ボットのアクティビティが疑われ、ユーザーが人間であることを確かめるためCAPTCHAがトリガーされます。

CAPTCHAの仕組み

CAPTCHAについて良く理解するため、ユーザーが人間であることを確かめるためにCAPTCHAがチャレンジを生成する仕組みについて説明します。

基本の仕組み

CAPTCHAテストには2つの部分があります:

  • テキスト、画像、音声、数式から成る質問。
  • ユーザーが応答を入力するテキストボックス。

CAPTCHAチャレンジには様々な形式があります。以下にいくつか例を示します。

  1. 歪んだテキストを識別する。
  2. 画像内のオブジェクトを認識する。
  3. 簡単なパズルを解く。
  4. 論理タスクを完了する。

これらのチャレンジは、自動化ボットにとっては困難だが人間であれば容易に解決できるように設計されています。

CAPTCHAチャレンジの解決に興味がある場合、 こちらに詳しい情報があります。

検証プロセス

ユーザーがCAPTCHAチャレンジを完了すると、その応答が検証されます。これには、アルゴリズムを使用して応答を分析し、その応答が人間によって生成された可能性を判断することが含まれます。CAPTCHAの検証には、サポートベクターマシン(SVM)、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク等のアルゴリズムを使用できます。これらのアルゴリズムは、応答時間、精度、パターン認識等の様々な要素を評価し、人間による応答と自動応答を区別します。応答が検証基準に合格すると、ユーザーが要求したリソースまたはアクションへのアクセスが許可されます。

適応型難易度

一部のCAPTCHAは、ユーザーの操作や認識されている脅威レベルに基づいてチャレンジの複雑さを調整する適応型難易度の仕組みを備えています。

例えば、ユーザーが何度もCAPTCHAの解決に失敗したり、疑わしい挙動を示した場合、検証を正確に行うため、システムは以降のチャレンジの難易度を高めることがあります。

セキュリティ対策

セキュリティを強化し、自動化ソリューションを防止するため、CAPTCHAは様々な対策を組み込んでいます。

  1. ボットが使用するパターン認識アルゴリズムを排除するための、チャレンジ要素のランダム化。
  2. 完了するには人間による継続的な対応が必要な、セッションベースのチャレンジ。
  3. 自動化スクリプトを阻止するための、時間ベースのチャレンジ

CAPTCHAの種類

CAPTCHAには様々な種類があります。どの種類がどのようなシナリオに使用できるか理解する必要があります。

1.テキストベースのCAPTCHA

ユーザーに対して、正しく解読して入力しなければならない歪んだ、あるいは不明瞭なテキストを表示します。通常、これらのCAPTCHAには自動化ボットにとって解釈しにくいように、ノイズや回転、その他の変更を加えた文字が含まれます。

テキストベースのCAPTCHA

2.画像ベースのCAPTCHA

ユーザーに対してオブジェクト、動物、シーンを含む画像を表示し、画像内の特定の要素を識別するよう求めます。この種のCAPTCHAは、画像内のオブジェクトを正確に認識するボットの能力に挑戦するものです。

画像CAPTCHA

3.音声CAPTCHA

ユーザーは、音声録音からフレーズまたは一連の文字を聞いて書き起こす必要があります。この種のCAPTCHAは、視覚障害のあるユーザー向けに設計されており、音声情報を正確に処理するボットの能力に挑戦するものです。

音声CAPTCHA

4.論理またはパズルCAPTCHA

ユーザーに対して、批判的思考や問題解決能力を必要とする論理的なパズルや問題が示されます。これらのCAPTCHAには、シーケンスを完成させたり、数学の問題を解いたり、一連の画像から仲間外れを選んだりする等のタスクが含まれます。

パズルCAPTCHA

5.チェックボックスCAPTCHA

ユーザーは、自分がロボットではないことを確認するボックスにチェックを入れるように求められます。この種のCAPTCHAは挙動分析や、マウスの動きの分析、タイピングのダイナミクス、クリックパターン分析等の、いわば舞台裏の仕組み を使用してユーザーが人間かどうかを判断するため、従来のCAPTCHAよりも邪魔になりません。

6.挙動ベースのCAPTCHA

この種のCAPTCHAは、マウスの動きやタイピングパターン等のユーザーの挙動を分析し、ユーザーが人間かどうか判断します。これは、人間はボットとは異なる挙動でウェブサイトを操作するという前提に基づいており、人間とボットを区別します。

CAPTCHAを使用するメリット

人間のユーザーと自動化ボットを区別することで、CAPTCHAの使用には大きなメリットがあります。

1.セキュリティの強化

CAPTCHAは自動化ボットに対する防壁として機能し、ウェブサイトをスパム、不正行為、その他の悪用から保護します。CAPTCHAは人間とボットを区別することで、オンラインでの相互作用の整合性を維持し、機密情報の保護に役立ちます。

2.自動化攻撃の防止

CAPTCHAは、自動化ボットがウェブサイトやアプリケーションの脆弱性にアクセスしたり、悪用したりするのを防ぎます。これにより、ブルートフォース攻撃、アカウント乗っ取り、その他ユーザーデータやプライバシーを侵害しかねない悪意のある行為のリスクを軽減できます。

3.公平なアクセス

CAPTCHAは、ボットがオンラインリソースやサービスを独占したり悪用したりするのを防ぐことで、公平なアクセスを保証します。

例えば、CAPTCHAはボットがイベントやコンテストのチケットを大量に購入するのを防ぎ、本来のユーザーが公平な参加機会を得られるようにします。

4.データ品質の向上

CAPTCHAは、自動化ボットが生成した入力を除外することで、データの精度と整合性を維持するのに役立ちます。これは、オンラインフォーム、コメントセクション、ユーザー登録等、ユーザー生成コンテンツに依存するウェブサイトにとって特に重要です。

5.コンプライアンス要件

CAPTCHAは、ウェブサイトがデータセキュリティとプライバシーに関する法的および規制上の要件を遵守するのに役立ちます。CAPTCHAソリューションを導入することで、ウェブサイトはユーザー情報を保護し、不正アクセスを防止することへの取り組みを示すことができます。

CAPTCHAの使用に関する欠点

CAPTCHAには利点がありますが、欠点もあります。

1.ユーザーの不便さ

ユーザーは、特に解決が難しい場合や複数回の試行が必要な場合、CAPTCHAに不満を感じ、時間がかかると感じるかもしれません。この不便さはユーザーの不満につながり、ユーザーがウェブサイトの使用を面倒と感じる可能性があります。

2.アクセシビリティの問題

CAPTCHAの種類によって、特に視覚または聴覚に基づくCAPTCHAは、視覚障害または聴覚障害のあるユーザーにとって困難となる場合があります。これにより、障害を持つユーザーのアクセスが妨げられ、アクセシビリティ ガイドラインに違反したり、一部のユーザー群を除外したりしてしまう可能性があります。

3.コンバージョン率が低下する可能性

CAPTCHAの解決という手順を追加することでユーザー体験が損なわれたり、フォームや取り引きが中止されたりする可能性があります。その結果、コンバージョン率が低下し、ウェブサイトのビジネスチャンスが失われる可能性があります。

4.先進のボット

OCR(光学式文字認識)ボット、機械学習ベースのボット 等の先進のボットは、一般的なCAPTCHAシステムを通過できるため、自動化ボットによる悪用に対してCAPTCHAの有効性が失われます。

CAPTCHAの必要性

CAPTCHAには大きな利点がありますが、必要な場合にのみ使用すべきです。

1.ウェブサイトのニーズ分析

ウェブサイトに複数の送信フォーム(問い合わせ、登録)等があり、攻撃対象となる可能性がある場合、CAPTCHAの使用は不可欠です。

2.ユーザー体験に関する考慮

ユーザーとのやり取りが多いウェブサイトの場合、ボットによる悪用を防ぐため、CAPTCHAを使用して自動化ボットと人間のユーザーを識別することが不可欠です。

3.代替セキュリティ対策

CAPTCHAはユーザー体験を損なうため、CAPTCHAを使用するよりも、2要素認証や行動生体認証等、他のセキュリティ対策を検討すべき場合があります。

4.技術の進歩

最新のAIとボット機能がCAPTCHAテストを通過できないことを確かめる必要があります。

5.コンプライアンスとアクセシビリティ

CAPTCHAは、障害を持つユーザーに不利益をもたらさないように、アクセシビリティに関する法的基準に準拠する必要があります。視覚または聴覚に障害を持つユーザーでもアクセスできる方法を提供し、アクセシビリティガイドラインを遵守して包括性を確保するCAPTCHAソリューションを選択してください。

まとめ

結論として、CAPTCHAはオンラインセキュリティの重要な要素であり、人間のユーザーと自動化ボットを区別し、スパム、不正行為、不正アクセス等の悪用を防止します。

さらに、CAPTCHAはオンラインリソースへの公平なアクセスを改善し、データ品質を高め、データセキュリティとプライバシーに関する規制要件の遵守をサポートします。CAPTCHAの管理を効率化するために、Bright DataはWeb Unlockerの一部として強力なCAPTCHA解決ツールを提供しています。このツールはIPローテーションを行いCAPTCHAを自動的に解決するため、ウェブリソースへのシームレスで効率的なアクセスが可能となります。

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