それでは始めましょう
私はBright Dataのソリューションコンサルタントの、ラファエル・レヴィと申します。過去6年間、データ収集の分野で幅広い経験を積んできました。最近のウェビナーでは、データ収集プロセスを最適化して大幅なコスト削減を実現する方法に関する有用な情報をお伝えしました。皆様がデータ収集戦略を強化し、リソースを最大限に活用できるように説明した重要なポイントをまとめました。
今日、効率的なデータ収集はかつてないほど重要になっています。しかし、それには独自の課題が伴います。Webサイトはますます高度なボットブロックメカニズムを導入しており、必要なデータへのアクセスが難しくなっています。さらに、特に最も効率的な方法やプロキシを使用していない場合、データ収集に関連するコストがすぐにかさんでしまいます。
さまざまなデータ収集方法
データ収集にはいくつかの方法があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。これらの方法について見てみましょう。
1.社内でのデータ収集
- メリット: プロセスを完全に制御し、特定のニーズに合わせてカスタマイズできます。
- デメリット: 開発者、サーバー、インフラストラクチャなど、かなりのリソースが必要です。これは、データ収集がコアビジネスではない場合、特に困難になる可能性があります。
- 適切な用途: 複雑なデータ収集タスクを管理する専任のチームとリソースを備えた組織に最適です。
2.ハイブリッドデータ収集
- メリット: 社内管理のメリットとサードパーティサービスの効率を兼ね備えています。たとえば、Bright Dataのロック解除サービスを使用すると、社内で大規模な開発を行う必要なく、複雑なボットブロックメカニズムを回避できます。
- デメリット: この方法でも社内リソースが必要になりますが、完全に社内で行うよりは大幅に少ないリソースで済みます。
- 適切な用途: 特定のタスクにサードパーティの専門知識を活用しつつ、ある程度の管理を行いたい組織に最適です。
3.サービスとしてのデータ (DaaS)
- メリット: データ収集プロセス全体を外部委託することで、データの収集ではなく分析と活用に集中できます。これは大幅なコスト削減につながります。
- デメリット: データ収集プロセスをあまり制御できず、サービスプロバイダーに依存する可能性があります。
- 適切な用途: データの収集ではなく分析をコアビジネスとする組織に最適です。収集プロセスの管理に伴うオーバーヘッドなしで信頼性の高いデータを必要とする組織にとって、費用対効果の高いソリューションです。
これらの方法を理解することで、組織のニーズとリソースに最適な方法を選び、より効率的で費用対効果の高いデータ収集プロセスを実現できます。
データ収集におけるプロキシの重要性
プロキシはデータ収集において極めて重要な役割を果たし、データ収集ツールと対象のWebサイトの間の仲介役となります。さまざまなタイプのプロキシとその効果的な使用方法について理解することは、成功率とコスト効率に大きなインパクトをもたらすことができます。
プロキシのタイプ
- データセンタープロキシ: このタイプは最も費用対効果の高いプロキシですが、スクレイパーによって頻繁に使用されているため、Webサイトにブロックされる可能性が最も高いプロキシでもあります。
- 住宅用プロキシ: このタイプのプロキシは、インターネットサービスプロバイダー (ISP) から住宅所有者に提供されるIPアドレスを使用します。ブロックされる可能性が低い一方、コストは高くなります。
- モバイルプロキシ: これは最も高価なタイプで、モバイル通信会社によって割り当てられるIPアドレスを使用します。ブロックされる可能性が最も低いタイプのプロキシです。
適切なプロキシタイプの選択: 適切なプロキシタイプの選択は、データ収集タスクの具体的な要件によって異なります。住宅用プロキシやモバイルプロキシはブロックされる可能性は低い一方、データセンタープロキシは正しく使用すれば費用対効果が高くなります。
コストへの影響と最適化戦略: データセンタープロキシを効果的に使用すると、大幅なコスト削減につながります。たとえば、適切なヘッダーとCookieを追加することで、データセンタープロキシの成功率を高め、より高価な住宅用プロキシの必要性を減らせます。また、PuppeteerやSeleniumなどのブラウザ自動化ツールにより、人間の行動を模倣して、データセンタープロキシの効果を高めることもできます。
データセンターIPによるコスト削減手法
データ収集に関する最も一般的な誤解の1つが、すべてのタスクに住宅用IPを使用する必要があるということです。住宅用IPにはそれなりのメリットがありますが、データセンターIPを正しく使えば費用対効果の高い代替手段となります。ここで、データセンターIPの有効性を最大化するための手法をご紹介します。
1.ヘッダーとCookieの使用: 標準的なブラウザの動作を模倣することで、データセンターIPの成功率が大幅に高まります。リクエストにヘッダーとCookieを追加すると、より正当なものと認識され、ブロックされる可能性が低くなります。たとえば、Amazonをスクレイピングする場合、適切なヘッダーとCookieを追加すると、成功率を10%からほぼ100%に上げることができます。
2.ブラウザの自動化: PuppeteerやSeleniumなどのツールは、データセンターIPの成功率をさらに高めることができます。これらのツールを使用すると、ブラウザのアクションを自動化して人間の行動をシミュレートできるため、ボット検出システムを回避するのに役立ちます。この方法は、より高度なボット対策を講じているWebサイトに特に有効です。
3.不要なリクエストのブロック: もう1つの効果的な手法は、画像やスクリプトなどの不要なリクエストをブロックすることです。これにより、帯域幅を節約し、コストを削減できます。データ収集に必要な要素だけを読み込むことで、効率を高め、経費を削減できます。たとえば、Amazonで画像リクエストをブロックすると、帯域幅の使用量を50%以上削減できます。
データ収集の高度な手法
データ収集プロセスの最適化は、適切なプロキシの選択に留まりません。効率と費用対効果をさらに高めるための高度な手法をいくつかご紹介します。
1.不要なリクエストのブロック: 前述のように、画像、CSSファイル、サードパーティスクリプトなどの重要ではないリクエストをブロックすることで、帯域幅を大幅に節約できます。Chrome DevToolsのようなツールを使用すると、さまざまなタイプのリクエストをブロックしてみて、省略してもサイトの読み込みに支障がない要素を確認できます。これらのブロックをスクリプトに実装すると、大幅なコスト削減につながります。
2.ヘッダーとCookieの抽出の自動化: ヘッダーとCookieを手動で設定するのは面倒です。このプロセスを自動化すると、常に最新で最も効果的な設定を維持できます。ブラウザの自動化を使用してサイトに移動し、必要なヘッダーとCookieを取得して、データ収集リクエストに適用します。
3.データ収集への最短経路: データ収集の効率は、多くの場合、データを取得するために必要なステップの数にかかっています。常に最短経路を使用することを目指しましょう。たとえば、eコマースサイトからレビューを収集する必要がある場合は、複数のページを経由するのではなく、レビューページへのダイレクトURLを作成します。これにより、読み込み時間と帯域幅の使用量が削減されます。
4.方法の組み合わせ: ハイブリッド方式が最も効果的な場合もあります。たとえば、ブラウザを使用して初期認証を行いトークンを取得し、その後のデータ収集のためにAPIリクエストに切り替えます。これにより、両方の方法のメリットが組み合わされ、成功率と効率が向上します。
サービスプランのカスタマイズによるコスト効率の向上
データ収集プロセスを最適化するには、使用する技術的な方法だけでなく、適切なサービスプランと価格モデルを選ぶことも重要です。それでは、費用対効果を最大限に高める方法について説明します。
1.適切な価格モデルの選択: 帯域幅ベースのプランやリクエストベースのプランなど、さまざまなプロキシプロバイダーによって幅広い種類の価格モデルが提供されています。たとえば、大量のデータを読み込むデータ収集タスクの場合は、リクエストベースのプランの方が費用対効果が高い可能性があります。逆に、読み込むデータが少ない大量のリクエストを行う場合は、帯域幅ベースのプランの方が適しているかもしれません。使用パターンを分析して、最適なプランを選びましょう。
2.月次および年間プラン: 月次または年間のプランを契約すると、従量課金制のオプションよりも大幅な割引を受けることができます。これらのプランでは、(ギガバイト単位・リクエスト単位にかかわらず) ユニットあたりのコストが下がり、経費がより予測可能になります。慎重に進めたい場合は少額のプランから始めて、ニーズに確信が持てるようになったら徐々にアップグレードしていきましょう。
3.使用量の確約と交渉: トラフィックを1つのプロバイダーにまとめて、より多くの使用量を確約することで、さらに有利な価格帯が利用可能になります。たとえば、トラフィックを複数のプロバイダーに分割するのではなく、すべてのトラフィックをBright Dataのような1つのプロバイダーにまとめると、大幅な割引が受けられます。プロバイダーと交渉して、使用量に対して最もお得な料金で利用しましょう。
4.ケーススタディの例: あるクライアントは、当社と別のプロバイダーの間でトラフィックを半分ずつ分割していて、月々合計$31,000の経費がかかっていました。トラフィックの90%を当社にまとめたことで、同社の合計コストは月々$24,000に下がり、年間$84,000の節約につながりました。この例から、1つのプロバイダーにまとめて戦略的に計画することによる、金銭的なメリットが強くうかがえます。
サービスプランを慎重に選んでカスタマイズすると、データ収集コストを大幅に削減し、リソースをより効率的に割り当てることができます。
質疑応答のハイライト
ウェビナーでは、参加者からの洞察に満ちたいくつかの質問に答えました。重要なポイントをいくつかご紹介します。
1.何をダウンロードするかの選択: ある参加者が、すべてをブロックするのではなく、特定の要素を選択してダウンロードすることは可能かと質問しました。画像やサードパーティスクリプトなどの不要なリソースをブロックすることはできますが、特定の要素だけをダウンロードしようとするのは難しく、サイトがうまく読み込まれない可能性があります。より効果的な方法は、画像やスクリプトなどの幅広いカテゴリをブロックし、サイトが正しく機能するために必要な要素に基づいて微調整することです。
2.Puppeteerコードの移行: もう1つの質問は、PuppeteerのコードをBright DataのCloud Webロック解除ツールに移行することについてでした。ロック解除ツールは、ブラウザの自動化よりもAPIベースのデータ収集に適しています。ただし、当社のスクレイピングブラウザ製品はサーバー上でPuppeteerスクリプトを実行できるため、独自のインフラストラクチャを維持することなくブラウザ自動化のメリットがすべて得られます。
3.他の学習リソース: Webスクレイピングに不慣れな方は、CSSセレクターについて学び、Beautiful SoupやSeleniumなどの広範なライブラリを備えたPythonのような言語を選択することをお勧めします。これらのツールは、効果的なデータ解析とブラウザの自動化に不可欠です。
4.ヘッダーとCookieの自動化: ヘッダーとCookieを手動で抽出するのは面倒なため、このプロセスの自動化にはメリットがあります。ブラウザの自動化を使用して必要なページを読み込み、ヘッダーとCookieを取得して、スクレイピングタスクに適用します。これにより、常に最新の設定を使用できます。
まとめ – 本当に知っておくべきこと
まとめると、データ収集プロセスを最適化するには、適切な方法の選択、効果的なプロキシ戦略の活用、効率とコスト削減を最大化するための高度な手法の採用を組み合わせる必要があります。社内、ハイブリッド、DaaSの各アプローチのメリットとデメリットを理解することで、ニーズに最適な方法を選択できます。さらに、データセンターIP、不要なリクエストのブロック、サービスプランのカスタマイズによるコスト削減手法を採用することは、大幅なコスト削減を実現するための重要なステップとなります。
このウェビナーでお伝えした情報と質問への回答を、データ収集の取り組みにぜひお役立てください。これらの戦略を実施することで、プロセスを効率化し、コストを削減し、最終的にはデータ収集プロジェクトをより大きな成功へと導くことができます。